毎日のように繰り広げられる「イヤ!」「ダメ!」「もっと遊ぶ!」という子どものイヤイヤやかんしゃく…。特に2歳〜5歳頃は、自我の発達とともに感情のコントロールがうまくできず、爆発してしまうこともしばしば。育児に奮闘するママ・パパにとっては、精神的にも体力的にもつらい時期ですよね。
けれど、子どもの情緒は育てていくもの。親の関わり方次第で、感情を上手に表現し、自己コントロール力を身につけることができるのです。
この記事では、毎日の生活の中で無理なく取り入れられる「情緒教育」の具体的な5つのステップをご紹介します。
ステップ1:まずは「感情に名前をつけてあげる」
子どもは、自分の中で起きている「気持ち」を言葉にすることができないと、泣いたり怒ったりして表現するしかありません。まずはその感情に「名前」をつけてあげることから始めましょう。
たとえば…
- 「おもちゃを取られて悲しかったんだね」
- 「もっと遊びたくて悔しかったんだね」
- 「イライラしちゃったね」
こうした声かけを繰り返すことで、子どもは少しずつ「自分の感情」を認識し、「こういう気持ちのときはこう表現すればいいんだ」と学んでいきます。
ステップ2:「共感ファースト」の対応を意識する
イヤイヤやかんしゃくが起きたとき、つい「ダメでしょ!」「なんでそんなことで泣くの?」と否定してしまいがちですが、まずは子どもの気持ちを受け止めてあげることが大切です。
共感の例:
- 「お着替えイヤなんだよね、遊びたい気持ちもわかるよ」
- 「急に止められてビックリしたね」
気持ちを受け止めてもらった子どもは安心し、次のステップに進みやすくなります。感情をコントロールする土台は、まず「安心感」。共感の言葉がその第一歩なのです。
ステップ3:感情を表す“ことばの引き出し”を増やす
子どもが自分の気持ちを言葉で表現できるようになると、イヤイヤやかんしゃくは驚くほど減っていきます。そのためには、日常的に感情に関する語彙を増やしていく工夫が必要です。
おすすめの方法:
- 絵本やアニメで登場人物の気持ちを一緒に考える
- 「嬉しい」「くやしい」「さみしい」など感情カードで遊ぶ
- 「ママは今○○な気分だよ」と感情を口に出す姿を見せる
感情語を日常会話に取り入れるだけでも、子どもは自然と感情表現の幅を広げていきます。
ステップ4:感情の“出口”を用意する
感情を言葉にすることが難しい時期の子どもには、「怒り」「悲しみ」「不安」などのネガティブな感情をうまく発散できる方法を一緒に考えてあげましょう。
感情の出口アイデア:
- 感情を絵に描かせる(赤いクレヨンでグルグルなど)
- クッションを叩いて発散する“怒りクッション”を用意
- お気に入りの場所に行ってクールダウンする「おちつきコーナー」をつくる
ネガティブな感情が湧くのは自然なこと。子どもにとって「こうすれば落ち着ける」という方法を見つけてあげるのも、親の大切な役割です。
ステップ5:「できたね」を積み重ねて自己肯定感を育てる
情緒教育で大切なのは、子どもが「自分で感情をコントロールできた」という実感を持つことです。そのためには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
ほめ方の例:
- 「さっき『くやしい』って言えてすごかったね!」
- 「泣きそうになったけど、深呼吸してえらかったよ」
- 「おちつきコーナーで自分で落ち着けたね!」
成功体験とそれに対する肯定的な声かけは、子どもの「次もやってみよう」という意欲につながります。
情緒教育は親子で育てていくもの
情緒教育は一朝一夕で身につくものではありません。イヤイヤやかんしゃくは、成長の過程で誰もが通る大切なプロセスです。大切なのは「叱ること」よりも、「どう向き合うか」。
失敗しても大丈夫。「昨日はうまくできなかったけど、今日はちょっとだけ言葉で伝えられたね」と前向きな視点で見守っていきましょう。
まとめ:感情を“敵”にしない関わりを
イヤイヤ期やかんしゃくは、親にとって試練の時期。でも、視点を変えれば「感情との付き合い方を親子で一緒に学べるチャンス」でもあります。
今日からできることを、もう一度おさらい!
- 感情に名前をつけてあげる
- 共感を最初に伝える
- 感情語を増やす会話を心がける
- 感情の出口を用意する
- 小さな成功体験をしっかりほめる
この5つのステップを、無理のない範囲で少しずつ取り入れてみてください。子どもも、そして親も、感情との付き合い方がぐっと楽になるはずです。