「この子、やればできるのに…」「なんで本気を出さないんだろう?」
そんなふうに感じる瞬間、ありませんか?
実は子どもに“やる気”を求める前に、親の関わり方ひとつで、そのスイッチを押すことができるかもしれません。
本記事では、“やればできる子”が本当に動き出す、家庭でできる5つの「やる気スイッチ」の入れ方を、心理学や教育の知見を交えてご紹介します。子どもの可能性を引き出したいすべての親御さんに読んでいただきたい内容です。
1. 「努力をほめる」ことで“結果よりプロセス”を大事にする
「すごいね!100点取れたんだ!」という声かけ、ついやってしまいがちですよね。でも実は、結果だけを評価されると、子どもは「失敗したら怒られる」「100点じゃないと認められない」とプレッシャーを感じてしまうことがあります。
そこで大切なのが、「よく頑張って勉強してたね」「わからなかったところ、自分で調べてえらいね」など、努力の過程に注目してほめること。
アメリカの心理学者キャロル・ドゥエック教授の研究では、「結果より努力をほめられた子どもの方が、難しい課題にも粘り強く取り組む傾向がある」と報告されています。
結果よりもプロセスを大切にする声かけが、子どもの自己効力感を育て、やる気につながっていきます。
2. 「選ばせる」ことで主体性を育む
親が「これやりなさい」「次はこれ!」と指示しすぎると、子どもは受け身になり、自分で考えて動こうとしなくなります。
でも、ちょっとした工夫で“自分で決めた”という感覚を持たせることができます。
たとえば…
- 「宿題とお風呂、どっちを先にやる?」
- 「漢字と計算、どっちから勉強したい?」
こんなふうに2択で選ばせるだけでも、自分で決めたという気持ちが芽生え、「やる気」や「責任感」が育っていきます。
これは、モンテッソーリ教育でも重視されているアプローチ。「自分で選ぶ→自分で行動→達成感を得る」という流れが、習慣化の第一歩です。
3. 「できたことリスト」で小さな成功体験を積み重ねる
人は、“できなかったこと”に意識が向きがち。でも実は、「できたこと」に注目する習慣こそが、やる気を引き出す鍵になります。
たとえば、1日の終わりにこんな時間をつくってみてください。
- 「今日はどんなことができたかな?」
- 「昨日より上手になったことってある?」
- 「自分でがんばったこと、何かあった?」
それを「できたことノート」に記録するのもおすすめです。小さな“できた”を積み重ねることで、「自分にはできる力がある」という自信が芽生えます。
この自己肯定感が、やる気のエンジンになります。
4. 「親が楽しんで学ぶ姿を見せる」
子どもは、大人の姿をよく見ています。「勉強しなさい!」と口うるさく言うよりも、親自身が何かに打ち込んでいる姿を見せるほうが、はるかに効果的です。
たとえば…
- 本を読む姿を見せる
- 家計簿を工夫してつけている姿
- 新しいレシピに挑戦している姿
「お母さん(お父さん)、いつも何か頑張ってるな」
そんな親の背中は、自然と子どもに“やる気”を伝えていきます。
一緒にタイマーを使って「親子で10分間集中タイム」などを設けてもいいでしょう。“やる気スイッチ”は、家庭全体の雰囲気づくりから生まれます。
5. 「失敗=悪いこと」と思わせない関わり方
子どもが失敗したとき、つい怒ったり否定的なことを言っていませんか?
でも、失敗を責められると、子どもは“挑戦すること”をやめてしまいます。
- 「失敗は成長のチャンスだよ」
- 「次はどうすればうまくいくかな?」
- 「やってみただけで偉いよ!」
こんなふうに、失敗もポジティブに受け止める言葉かけを心がけましょう。すると子どもは、「失敗しても大丈夫。チャレンジしていいんだ」と安心して挑戦できるようになります。
やる気は、安心と自己肯定感の土台の上に育ちます。
おわりに:子どものやる気を信じて、寄り添う力を育てよう
「うちの子、全然やる気がない…」と不安になる気持ちはよくわかります。
でも、やる気は子ども自身の内側に眠っているもの。親の接し方ひとつで、それが自然と引き出されることもあるのです。
焦らず、比べず、子どもが「やってみようかな」と思える環境を整えていくこと。
それが、長い目で見た“やる気スイッチ”を入れる一番の近道です。
ぜひ、今日からできることから始めてみてくださいね。